庭の日誌

祖父がのこした庭を手入れしています。

森林浴のち苦役

埼玉県入間市にある緑のトラスト保全地 6号地・加治丘陵・唐沢流域樹林地に行ってきました。

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沢沿いをつたう歩道は、適度にしっとりとしていました。

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私が今まで行った県内の樹林地の中でも、林床の植生が多様で、林道上に降り積もった落ち葉などの有機物が豊かな印象でした。

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山を分断する線路を境にして反対側に、メガソーラーの建設が予定されているそうです。

 

 

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夕方にホームグラウンドに戻り、ケヤキの根元に埋もれたシートを除去しました。

庭の作業の中でもこれが一番辛いです。

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1時間半ほど頑張りました。

 

ケヤキの幹が夕陽を浴びていました。

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作業前・作業中・作業後

現場仕事をした事のある方ならご存じかと思いますが、とりわけ公共の仕事をする場合には、同一地点の作業前・作業中・作業後の写真を提出する事がよくあります。

 

作業前・作業後はさておき、動きのある作業において作業中の写真を撮るわけですから、被写体には躍動感とリアルさが求められ、ヘルメット・長袖の着用が常識な現場においてうっかりノーヘル・腕まくりなどで写ろうものなら撮り直しとなります。

自分などは演技に力が入りすぎて「わざとらしい」と先輩に笑われたのが良い思い出です。

 

自分の所の庭を手入れ(開拓)する際も出来るだけ写真は残しておきたいと思っているのですが、仕事ではないのでつい作業に夢中になって撮り忘れる事が多いです。

 

今までの写真を振り返って見ていて、たまたま同じアングルで写っている写真が1組だけあったのでブログに載せてみます。

 

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2018年9月の状況

 

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2021年5月の状況

こうしてみると3年弱の間にずいぶん見通しが良くなって、道具置き場まで設営することが出来ました。

写真を見ると今までの苦労が思い出されて自分を褒めてやりたい気持ちになります。

写真を撮っておくことはモチベーションを保つ為にも大事な事だと感じました。

 

これからは、とにかく画を沢山撮っておいて、後日そのアングルに合わせた「作業後」の写真を撮るようにしていきたいと思います。

 

【付録 汚庭メモリー2020-21】

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樹林と私たちの生活 - 通気浸透水脈について

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「通気浸透水脈」という言葉があります。

私が初めてこの言葉を知ったのは、3年ほど前に勤めていた造園会社で受講した「大地の再生」講座がきっかけでした。

「大地の再生」とは、造園家の矢野智徳さんが主宰する、空気と水の循環の視点から自然環境の改善を行う活動です。

https://daichisaisei.net/

講座に参加した私は(おもにチェンソー係)、体調を崩し1か月後くらいにその会社を辞めてしまったのですが、この講座は受講させて貰って本当に良かったと今でも思っています。

何故ならば、庭や樹木、草花を独立した単独のもの、あるいは表面的な形として捉えていた視点が、地域・流域・山など、ある程度まとまった単位を構成する要素として捉える視点に広がったからです。
そして、大きな木が今まで考えてもいなかった程の大切な役割を果たしているという事がおぼろげながら分かった事が大きな収穫でした。

自然環境というと身近に感じられないかもしれませんが、私たちから遠くにある自然保護区域などの事だけではなく、住宅地や道路など私たちの生活に直結する場所も含んでいます。


「通気浸透水脈」が劣化するとどのような事が起きるのか、具体的に列挙すると、

・根が表層部のみにしか張れず、竹・笹・ツルなどの浅い表土で生きられる植物の藪と化す
・深部に根を張る高木が衰退し、土壌保持能力や深部への浸透性が衰える。
・土壌が細粒化し流失し、泥水が流れ水脈を詰まらせる。
・菌糸や根系が担っていた水の浄化能力が劣化する
・排水機能が表面排水ばかりになり、河川の増水や局地的な冠水を引き起こす

 

このような活動でもうお一方有名な方がおられます。

高田宏臣さんという千葉で造園設計事務所をされている方です。

この方は、「これからの雑木の庭」というおよそ一般のガーデニングや庭造りの範疇に収まりきらない大きなテーマを扱った著書を出されており、NPO法人地球守の活動を通じて空気と水の流れの視点から全国各地の環境改善活動と啓蒙活動を行っている方です。
https://chikyumori.org/

昨年、季刊誌「庭」に連載された内容をまとめ上げた「土中環境」という著書を発表され、これも大変興味深い内容でした。

このニ氏が繰り返し述べられているのが、現代の土木には土中の通気と通水の視点が欠如しており、この事は日本の自然環境や住環境に大きな悪影響を及ぼし、洪水や土砂災害を激甚化し国民の生命にすら危害を及ぼすようになるだろうという事です。(私なりの表現ですので、正確には各氏の著書やホームページをご覧いただけたらと思います。)

土中に水が染み込み、川の伏流水となって時には地上に湧き上がり、また地下に染み込み、海に至る。水の浸透は空気を土中に引き込み、根に必須な酸素を供給する。

植木鉢を想像するとわかりやすいと思います。

鉢に水をやっても、水はけが悪ければ根が呼吸できず植物は枯れますし、保水力がなければ水切れを起こしまた枯れてしまいます。
これを大規模化した現象が私たちの暮らす諸地域で起きているという事です。

根系や菌糸の衰退は土を保持するポテンシャルの喪失を意味し、土を保持するポテンシャルが失われれば、土砂崩れを引き起こします。
また、表面排水に偏重した視点は土地の保水能力を劣化させ、河川に大きな負担をかける事になります。

こういったコンセプトを、高田さんは繰り返し著書や講演で述べられています。
私は矢野さんの講座を受け、造園会社でそれらを実践しながらも今一歩腑に落ちないというか、真に理解できずにいたのですが、高田さんの著作や講演の動画などを見てより具体的に問題の構造を理解する事が出来ました。

生物多様性の視点から見た土中環境の講演動画

www.youtube.com

 

あまり真剣にこの問題を論じると、あまりの入れ込みぶりに近しい人にも少々怪訝な顔をされますし、自分自身目に見えない土中の事を自分の体験からはそこまで胸を張って言い切れない面もあります。

しかし、曲がりなりにも緑にかかわる仕事を経験し肌で感じた限りでは、二氏が論じる問題点や解決策というのは、真理を突いているというのが今現在の感想です。

そのため、私はささやかながらこれらの理論を自分の中で検証し、実践する歩みは止めずにいようと思います。


私個人の考えでは、藪化した緑地は魅力度が低く、管理が大変過ぎるために緑地が減っていくのであって、少しでも楽になれば(あるいは市民レベルで技術力や関心が向上すれば)、管理できる緑地が増えるのではないかと思っています。

いかにして緑地管理を魅力的なものにしていくかという意味でもこれらの活動を参考にしていきたいと思っています。

庭管理の人間模様

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このブログでは自分の好きなように庭を管理しているように書いていますが、

庭の所有者は妻の実家という事で、ご近所様とのやり取りや妻実家の意向など、軽いしがらみがあります。

 

かつて庭が藪のようだった時は(今もいくらか藪)、ご近所からは落ち葉や景観の事で要望を頂きましたし、道路にはみ出た大枝を切った時は、劇的な変化に実家からいくらかの反感を貰った事もありました。


私自身できる限り作業の方向性や意味を説明し理解を求めましたが、そういった反応ややり取りに何度となくやる気を消失し、また気を取り直しては作業を再開し、というプロセスを繰り返し、今までやってきたという経緯があります。私の庭では無いので仕方のないことですね。


よくあるご近所の声

・道路に支障枝が出ている

・落ち葉や、桜の花びらが庭に吹き込んでくる。なかでもイチョウの落葉がタチが悪い

 

妻実家の声リスト

・(道路への支障枝を切った時)そんなに太い所で切っても良いのか?

・(剪定に対して)ずいぶんすっきりしちゃったね。

・(雑木や蔓草に覆われた箇所を刈る際)そこは球根があるから踏まないで。クレマチスがあるから気をつけて。

 

ご近所の声は至極もっともなので粛々と作業するのみ。

一方、妻実家です。身内とはいえ、完全ボランティアで道具も自ら用意しているので、こういったお言葉を頂戴するたびに奥歯を噛み締めて(*^^*)きたわけですが、投げ出さないのは、切り拓いた先に地域の在来の草木が根付いた自然な庭(というか林)が出来上がるのではないかという望みがあるからです。

※愚痴満載ですが、庭以外では大変お世話になり感謝しています。また、庭の管理を通じた経験をさせてもらっている事にも感謝しています。


そんな奥歯が無くなりそうな経験を通じて、私なりに思ったこと・心掛けてきた事をまとめてみたいと思います。


・作業する事が好きで苦労を厭わない、苦しくてもやってみたい、あるいはお金を掛けてプロに依頼するのでなければ庭を持たないほうが良い。


・木を植える時は、その樹種がどのような成長を遂げるのか、どのくらい大きくなるのか、しっかり学んでおく事が大事。


・大きくなる木は、道路際や地境付近ではない場所に植えた方が良い。木は伸び伸びと枝を広げた姿が一番良いのでスペースを考えて植栽すべき。越境しているからと太枝をぶつ切りにされた木は、木の生育に悪いだけでなくディストピア感が強い。


・植える作業より草取りや剪定というメンテナンス作業の方が重くのしかかる事を覚悟して植える。また、大切にしたい花・草木の周りは頻繁に観察して、草取りを行う。草や蔓に埋もれてしまうと手入れが難儀になる。


・高木の木陰は草木の成長が穏やか。


・落ち葉で迷惑をかける近所には日頃挨拶をし、こまめな清掃を心がける。また、庭は完全に除草してしまうのではなく、いくらか丈のある下草を生やしておけば草に落ち葉が絡み飛散させずに保持するので、土壌的にも近所への配慮としても良い。


・落葉樹の落葉期に、枯葉を落としながら剪定する作業も取り入れる。落ちる前に落としてしまう。


・実生で殖える雑木が都合の悪い場所に生えてきた時は、早めに手で抜根するのが良い。その為には、木が小さい段階で判別できるくらいの眼を養っておかなければならない。


・木の手入れは表面だけを刈るのではなく、木の芯まで手が入るように透かす剪定を行い、自然でしなやかな姿になるように心がける。そうすればスペースに奥行きが生まれ、景観も良くなる。


・植えた樹々が領地(日照)を奪い合うのではなく、共生するよう配慮する。


・それぞれの木が大きくなり、テリトリーが競合し始めたら、大枝透かしや伐採も考慮に入れ、日当たりや風通し、庭全体を視野に入れた手入れをする。


・自分が死んだ時の庭の扱いを考えておく。


●今までやった事リスト

竹藪の際の竹伐採、竹藪の間引き

竹まじりの草むらの刈り払い

篠竹の藪の刈り払い

庭木に絡み付いたツタ・フジの除去

10年単位で伸びた高木の剪定各種

生垣の強剪定と自然樹形化

低木の剪定

チャドクガの捕殺

5〜8メートル程の雑木伐採

シュロ抜根・伐採 数十本

庭に埋もれたプラ・金属の除去・分別・処分

庭に埋もれた絨毯の除去

通気浸透水脈再形成の為の縦穴掘り、溝掘り

枯れた松の伐採

山の空気を吸いに

庭の管理を休んで、埼玉県の嵐山町にある嵐山渓谷に行って来ました。

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武蔵嵐山渓谷周辺樹林地」は埼玉県緑のトラスト保全地の一つです。

保全地内は一切の採集行為が禁止となっています。

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山法師が花盛りでした。

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ヤブレガサ

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マルバアオダモ

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巨大なシデの木

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ひんやりとした心地よい空気でした。

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ドングリと遺伝子の地域性

 

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「ドングリから木を育てて庭に植えるのが夢でした。」

緑が好きな方ならこんな風に思った事がある方も居ると思います。

私もその一人です。

そして実際、近隣の緑地で拾ったクヌギやコナラのドングリから、苗を育てています。

ドングリが芽生えて2~3年生の苗も育ってきた頃、twitterである話題(トレンド)を見かけました。

それは、「ツキノワグマのために各地で集めたドングリを山奥に蒔く活動を行う団体」に対する批判の声でした。

批判の内容は大まかに以下の2つでした。

1.野生動物への給餌行為によって、野生動物が人間の給餌に依存し行動変容を引き起こしたり、感染症を誘発する可能性がある。

2.持ち込んだ種(ドングリ)との交雑によって地域特有の遺伝子を攪乱し、培われてきた生態系を乱す恐れがある。

今回私が注目したいのが2の方です。

この問題を認識するに至って、なんだか自分がとんでもない事をしでかそうとしているのではないかと思えてきました。

自分が育てたクヌギやコナラが、地元の木と交雑して、地域で脈々と受け継がれてきた遺伝子が失われる。

自分が蒔いた種がとんでもない問題を引き起こすのではないか。

すでに育っている苗を前に呆然とする私でした。(心配症なのです。)


悩んだ結果、私はそのまま苗を育て、庭に植樹する事に決めました。

それには2つの理由があります。

まず一つは、管理している庭の半径3km以内程度には、クヌギ・コナラを含む広葉樹はおろか、雑木林は絶無であること。(杞憂でした)

もう一つは、「クヌギの遺伝子の日本国内での地理的変異は有意な違いが認められない」という以下の論文の考察があること。

 

クヌギおよびアベマキの核DNAの地理的変異
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jfsc/120/0/120_0_798/_pdf/-char/ja


※「クヌギ 地域 遺伝子」で検索すると色々出てきます。

●広葉樹の種苗の移動に関する遺伝的ガイドライン森林総合研究所
https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/documents/2nd-chukiseika20.pdf

●地域性種苗生産のための広葉樹の採種マニュアル(埼玉県寄居林業事務所)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/40332/kouyoujyu.pdf

 

これらの資料を熟読して、少なくとも今回は植樹をする方向で決意を固めました。

私は心配性ですので、もはや新規に植える植物は在来種のみとする決意を固めつつあり、果ては地域固有の遺伝子まで気にし始めてしまっているので、永遠に庭は完成を見ないような気がします。

こんな風に悩んでばかりで1年2年行動を起こさないでいると、いつの間にか年老いて土も掘れなくなってしまうかもしれませんね。

 

【写真】庭に放たれたクヌギの苗

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【写真】庭から出た廃棄物の一部をようやく処分しました。

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枯れた松の伐採

松の枯木を伐採しました。

 

※樹上でのチェンソー 作業中は撮影どころではなかったので写真はありません。m(_ _)m


中央から左に傾いでいるのが伐採する松です。

 

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隣地に倒れ込んだり、掛り木になる恐れがありました。

 


樹皮に割れ目が入り、だいぶ腐朽が進んできているのが分かります。

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2通りの伐採方法を検討していました。


①クライミングスパーで直に登って上から断幹

②隣のケヤキやエノキにアンカーを取って、V字のメインロープもしくはトラバースフックで松にアクセス


今回は幹の傷み具合を考え、②で伐採する事にし、メインロープ1本とトラバースフックを使う事にしました。


また、松の傾き方向を考慮して、傾いでいる方向とは逆にあるケヤキにアンカーを取ることにしました。

 

高い位置にアンカーを取ると枝が細くなりがちなので、ケヤキの枝の中でも伐採する松とは逆サイドの枝を選び、枝をしならせず、荷重が幹元に向かって枝を圧縮する方向に働くように気をつけました。

 

メインロープを設置したところ。

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ケヤキに登って松を見下ろしたところ。

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同じ位置から松を見上げたところ。

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松の頂点はケヤキのアンカーよりだいぶ上でした。

 

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フックを掛けて松に移ります。この後2丁掛けランヤードで登り、写真上の二股のところに立って最初の断幹を行いました。

 

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松からケヤキを振り返ったところ。

 

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気の利いたビレイデバイスは持っていなかったので、フック側にはロープレンチとフットアッセンダーを使いました。

 

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メインロープとランヤードでここまで落とし、あとは地上で伐倒しました。1人で作業した為、落とした枝にロープが絡んで片付けが大変でした。

 

幹と枝を整理して作業完了。

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反省点は色々ありますが、無事終わって良かったです。